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過払い金返還請求で訴訟をする場合に考えられるリスク
1 訴訟で過払い金の返還を請求した際に起こり得ること
一般的に、貸金業者等に対して過払い金の返還を求める際には、まずは直接交渉をすることになります。
しかし、納得できる支払金額の提案がなされないことや、争点を主張されて支払いを拒絶されるということもあります。
このような状態となって交渉が決裂した場合には、訴訟を提起して過払い金の返還を請求することになります。
訴訟を提起すると、直接交渉に比べて支払いを受けられる金額が上がる可能性はありますが、主に2つのリスクを負うことになります。
1つは、訴訟には時間がかかることから、相手の貸金業者等の財政状況が悪化すると勝訴しても支払いが受けられなくなる可能性があることです。
もう1つは、請求する過払い金の金額があまり大きくない場合や、一部勝訴となった場合には、費用の方が大きくなってしまう可能性があることです。
以下、それぞれについて詳しく説明します。
2 勝訴しても支払いが受けられなくなる可能性がある
訴訟を提起すると、1~2か月おきに設定される期日において、裁判所でお互いが主張立証等を行いますので、判決に至るまで半年~1年程度を要することがあります。
控訴する場合、または控訴された場合には、さらに長期間を要します。
また、仮に勝訴判決が確定しても支払いを受けられない場合には、強制執行をするための時間も必要となります。
この間に、相手である貸金業者等の財政状況が悪化し、過払い金を返還するための原資がなくなってしまうと、結果として支払いを受けることができなくなってしまいます。
そのため、納得できる条件であれば、判決に至る前に、訴外や裁判官の勧告に従った和解をするということもあります。
3 費用が大きくなってしまう可能性がある
訴訟を行うためには、裁判所に納める貼用印紙や、代理人弁護士が裁判所へ行くための交通費、出廷費などの費用がかかります。
争点が存在し、何度も期日が開催されたり、控訴や上告がなされるなどして、訴訟が長期化すると費用も大きくなっていきます。
その後、請求金額の一部しか認められなかったり、敗訴した場合、支払いを受けられる金額よりも費用の方が大きくなってしまうという可能性があります。